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そこに入っていたのは、足だった。ぼろぼろになった靴を履いた、小学生程の足。それが太腿の中間で切断され、箱に詰められていた。
また吐き気を催すと共に、非常に嫌な予感がした。このまま全身が届くのではないか。そして全て揃ってしまったとき、何かが起きるのではないか。
そんなことを直感するや否や、足の入った箱を手に走り出していた。
向かった先はゴミ捨て場。それを力いっぱい投げ捨てると、全力で走り去った。
それが無駄だったと分かったのはその翌日のこと。
その日も同じ時間にチャイムが鳴ったのだが、同じではないことが一つ。
箱が二つ届いていたのだ。一つは昨日と同じ大きさのもの。もう一つは大きさは昨日と同じだが、箱の角がひどくひしゃげたもの。それらには、どちらも足が入っていた。
考える間もなく一つの箱を手に取ると、近くの川へと走り、そのまま投げ捨てた。段ボールはゆっくりと流されていく。少しの間それを呆然と見つめた後、家へと逃げ帰った。
そしてその翌日には、いつもよりも大きな箱と、その上に乗ったびしょ濡れの箱が届いた。大きな箱には胴体が、濡れた箱には足が入っていた。胴体に着せられていた服は、記憶に強烈に残るもの。確かにあの日山口君が着ていたものだ。
逃れられない恐怖に、発狂寸前になる。この日は何をするでもなく、ただベッドで涙を流し続けた。
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