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付き合っていた男性が何者かにナイフで後ろから刺されて死んでいたのだ。
周りの人間は二人の間柄をよく知っていたので大層悲しんだ。
恵のことが心配で仕方がなかった。
だが、ナイフで刺し殺したのは何を隠そう恵自身なのであった。
その後も恵は将人に似た男性と複数付き合ったりしていたが
《全員》恵の手によって殺害されていった。
「――あなたも将人の“代わり”にはなれなかったわ…サヨウナラ」
「―失格 ね。―」
そしてまた今晩もひとり…
最愛の男性が忘れられず、その面影を求めた女性の悲しき餌食となる男が増えていく――
しかしなんと恐ろしい話であろう。
なにしろ私自身、その剣樹将人を父に持ち、いつ命を狙われるか分からない人間のひとりなのだから。
「血の品格、完。っと…」
ガラッ…
「こんなところにいたの?探したじゃない。」
「か、母さ―」
「剣樹将人はこの世にただ1人……!」
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