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「ん……」 カーテンから零れる光が室内に入り込み、咲希の顔を照らす。 眩しく感じたのだろうか、彼女は目を覚ましたようだ。 (今何時……?) 時計に目をやれば、針が指し示すのは午前6時半。 いつもよりも少し早めの起床だが、下の階からは物音が聞こえる。 母はいつもこんな時間に起きているのかと、感心しつつ、この時間から二度寝するわけにはいかないので、ベッドから出る。 顔を洗うために下に降りると、母が驚いていた。 顔を洗い、髪を整える。 洗面所から出た時には父も起きてきた。 リビングのソファーに座り、テレビの電源を入れた。 〈……昨夜の午後10時ごろ○○市の風俗店で野党の国会議員の○○氏が殺害されているのが発見されました。警察は、同じく昨日に起こった殺害事件との関連を調べています。また……〉 「物騒ねぇ……」 母が朝食を運びながらそんなことを呟く。
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