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咲希は運ぶのを手伝おうと、立ち上がりキッチンに向かう。 今日の朝ご飯も昨日と同じでパンのようだ。 全ての料理を運び終えた頃に、兄が起きてきた。 短い髪に大量の寝癖が付いている。 家族全員が揃ったところで、朝食を食べ始める。 会話はいつもと同じで、弾んでいたが咲希はあまり喋らなかった。 最後のパンのひとかけらを食べ、手を合わせ朝食を終えた。 二階にあがり、学校に行く用意をする。 もちろん今日から授業なので、教科書やその他もろもろの必要な物もカバンに詰める。 一通り用意を終え、まだ登校するには早い時間ではあるものの咲希はすぐに家を出ることにした。 一階に行くと、どうやら父も今から出勤するようだ。 「あら、もう行くの? 珍しいこともあるのねぇ」 母が嫌みを言いながら寄ってきた。 「まぁね、たまにはいいでしょ」 靴を履きながら適当に返事をする。こういう嫌みは構わないのが一番だ。
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