50人が本棚に入れています
本棚に追加
外に出ると同時に、母と父に行ってきますと言って、咲希は家を出発した。
いつもよりも少し早い登校は、新鮮な感じがした。
すれ違う人や、空気、さらに風景までもがいつもと違う気がする。
学校に近づくにつれて、生徒がちらほらと見えてきた。
いつも咲希が登校するときよりも、明らかに人数は多かった。
校門付近では昨日よりは減ったものの、まだ部活動の勧誘がされている。
正面玄関に入り、靴を履き替えて教室へ向かう。
教室に着いて机にカバンを置いた咲希はその上に突っ伏した。
朝からずっと探偵事務所のことが気になって仕方がなかったのだ。
(どうしちゃったんだろ、私……)
はぁ、と一つ大きなため息をして咲希は顔を上げた。
授業まで特にすることが無いので、携帯をいじりながら時間を潰す。
予鈴がなり、担任の教師が入ってくるのとほぼ同時に優美が走りながら、入ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!