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「あっ、危なかった……」 膝に手をつき、汗をかなり掻いて息を切らしている。かなり急いできたようだ。 「どうしたの? 珍しいね」 「いや~、寝坊しちゃって」 確かによく見れば、服は走ってきたことも原因だろうが、それ以上に乱れており、髪にはかなりの寝癖が付いている。 担任が優美を注意し、HRが始まった。 咲希は話など聞く気になれず、ずっと呆けていた。 HRが終わると、すぐに授業が始まる。 子守歌に聞こえてくる教師の説明を華麗に聞き流し、咲希はすぐに睡魔に負けてしまった。 教室にいる生徒の半数以上が寝ている中、教師が喋ることを止めることはなく、西洋の中世にの頃の話を熱弁している。 もはや、聞いているのは前列の数人のみだろう。 そんな授業もようやく終了の時間に近づき、授業はチャイムの5分前に終わった――。
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