-Rank1-

7/11
前へ
/130ページ
次へ
担当の教師が教室に入ってきて授業を始める。 さっきの授業で寝たおかげか、咲希の頭は冴えていた。 しかし、ここで授業に集中するほど咲希は真面目ではない。 ずっと考え事に没頭する。 朝からずっと頭を離れない、どんなに他の事を考えても、結局行きつく――昨日の事。 いまだに、何故自分があの事務所に入ったのか分からない。 いくら考えても答えは出なかった。 潔く諦めた咲希は、やっと授業に集中する。 もちろん、途中から聞くことになるため内容についていくのが難しかったが、必死にノートを写してなんとか授業をのりきった。 昼休みに入り、昨日のメンバーで昼食を食べた。 咲希は普段、昼休みには屋上に向かう。 屋上に吹く風は優しく、咲希の前髪を散らしていく。 しばらく風にあたり、もうすぐ授業が始まるので教室に戻った。 食後の授業というのは眠いものであり、睡眠という形で午後の授業をのりきり、今はようやく待ちに待った放課後である。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加