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担当の教師が教室に入ってきて授業を始める。
さっきの授業で寝たおかげか、咲希の頭は冴えていた。
しかし、ここで授業に集中するほど咲希は真面目ではない。
ずっと考え事に没頭する。
朝からずっと頭を離れない、どんなに他の事を考えても、結局行きつく――昨日の事。
いまだに、何故自分があの事務所に入ったのか分からない。
いくら考えても答えは出なかった。
潔く諦めた咲希は、やっと授業に集中する。
もちろん、途中から聞くことになるため内容についていくのが難しかったが、必死にノートを写してなんとか授業をのりきった。
昼休みに入り、昨日のメンバーで昼食を食べた。
咲希は普段、昼休みには屋上に向かう。
屋上に吹く風は優しく、咲希の前髪を散らしていく。
しばらく風にあたり、もうすぐ授業が始まるので教室に戻った。
食後の授業というのは眠いものであり、睡眠という形で午後の授業をのりきり、今はようやく待ちに待った放課後である。
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