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「という訳です。咲希さん。よろしければお手伝いしていただけませんか?」 「……はい?」 かなり間抜けな返事である。いくら不意打ちとはいえ、もう少しましにはできなかったのだろうか。 「私とノワールだけでは、この街全体を捜すのは手に余ります。そこで少しお力添えをお願いしたいのですが……」 咲希は少し悩んだが、街で道を聞かれたら目的地まで連れて行ってしまうほどのお人好しの咲希。 断ることなどできない。 「……分かりました。いいですよ」 「そうですか、ありがとう御座います。では早速行きましょうか」 友亮は立ち上がり、外出する準備を始めた。 「あなたはどうしますか?」 もちろん、これはおばさんに向けて言われた言葉である。 「家で待たせていただきますわ。見つかったらここに連絡してください」 と言ってまた鞄から一枚の紙を取り出し、友亮に差し出した。恐らく名刺だろう。 「では、任せましたわよ――」
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