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「さて、では始めましょうか」
咲希達が今いるのは探偵事務所から横に続いている路地。
「猫がいるとしても、恐らくこの辺りです。幾つか猫達のたまり場があるので、そこを虱潰しに探しましょう」
友亮が先ほどコピーした猫の写真と、バツ印が付いた地図を咲希に渡す。
「では咲希さんは向こう側、僕とノワールで反対方向を捜します。どちらかが見つけ次第携帯に連絡、でよろしいですか?」
「はい! 分かりました」
こうして、咲希と友亮はそれぞれの持ち場に出発し猫探しが始まった。
咲希はまず一番近くのバツ印に向かった。
路地から少し歩き、住宅街付近のここは、地元でも大きな一軒家が建ち並ぶ。
所謂、高級住宅街である。
すれ違う人はどことなく、垢抜けており、持っている物も咲希が持っている物よりも高級そうだった。
そしてしばらく歩いていると、猫が数匹見えてきた。
黒色、茶色、灰色など様々な猫が見られる。
咲希は一匹ずつ写真と照らし合わせて、確認するが、どうやらここにはいないらしい。
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