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「やぁ、咲希ちゃんじゃないか!」 隈見がこちらに気づき、話しかけてきた。人懐っこい笑顔が特徴的である。 「こんにちは、お久しぶりです」 「どうしたんだい? 正月以外で来るなんて珍しいね」 「実は……」 咲希は猫を探していることを話し、猫の写真を隈見に見せた。 「……うーん。もしかしたら、いるかもしれないな。行ってみようか」 そう言って、狩衣(かりぎぬ)を着ている隈見が社務所の中から出てきた。 神殿の横を通り、社務所の裏側に向かう。 そこでは猫が遊んだり、寝たりと思い思いのことをして過ごしていた。 咲希はその群の中の一匹の猫に目を止める。 「……いた」 目に映るのは白い体毛に身を包んだ白猫、足で耳の裏あたりを器用に掻いている。 咲希は猫に近づき、抱き上げる。全く抵抗しないところを見ると、かなり人間慣れしているようだ。 「よかったぁ」
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