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「咲希ちゃん、何か変わったことでもあったかい?」
お茶を咲希の前に出しながら、隈見は質問した。
「はい?」
「顔つきが少し変わったように見える。それも良い方向に」
咲希は自分の頬に手をあて、顔の輪郭をなぞるが別に変わったところは無い。
「はははっ、違うよ。どっちかって言うと雰囲気かな」
「雰囲気……ですか?」
最近の出来事を思い出した中で変わったこと、と言えば探偵事務所でのことしか思い浮かばなかった。
「そうですね……最近、探偵事務所に行ったことぐらいです」
すると隈見は驚いたようで、目を見開いている。
「探偵事務所って、もしかして友亮君のところかい!?」
「え、ええ、そうですけど……」
隈見の食いつきっぷりに若干引き気味の咲希。
「そうか! なるほど、それで……」
一方の隈見は興奮して、顎に手を当てなにやら呟き、何度も頷いている。
「あの……神田さんと知り合いなんですか?」
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