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月曜日の朝はいつも鬱な気分になる。
ベッドから上半身を起こす。
まだ眠たい目を擦りながら、
木村 和明(キムラ カズアキ)は部屋からでる。
洗面所で顔を洗い、自分の顔をジッと見つめる。
俺は約17年間生きてきて、自分の良いところが何ひとつわからない。
もっと言えば、自分に自信がない。
いや、嘘をつくのが、
他人から自分を偽るのが得意だ。
そんなことが得意な俺は自分自身が大ッ嫌いだ。
台所に入ると、いつものように母さんが朝飯を並べ、
父さんが新聞片手に朝飯を食べている。
「おはよ。」
いつものように言う。
そして、いつものように返してくる母さんと父さん。
「あんた今日から新学期でしょ。
制服クリーニングしといたから。はい。」
そう言って、母さんが制服を持ってきて、
俺に手渡した。
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