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一人の女は嘆いていた。
『なによ!私のなにがいけないの?!
あんなに...あんなに愛してたのに!!』
女には愛する男がいた。
男は三年前、女の前から姿を消してしまったのだ。
それからというもの、女は毎晩のように泣き、こうして嘆いているのだ。
『私が悪いの?!
全部私のせいなのねっ!!!
あぁっっ!
どうして?どうして貴男は...
どうして私を!!!』
女は台所から錆び付いたフルーツナイフを取り、
手首を傷つけ始めた。
女の腕には、醜い傷が刻まれている。
女はその腕にまた新しい傷をつけた。
女はこうすることで男が心配して帰ってくると信じていた。
でも男は来るはずもなく、
ただ段々と醜くなるだけだった。
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