過去とさよなら

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私の初めてを捧げたのは、 すべて結城だった。 重ねた体の温もりも、 熱い口唇の優しさも…──。 私は全部、 男を結城から学んだんだ。 ─────── …… 家に帰ってすぐ、 鞄を部屋の隅に投げ捨てベッドに倒れ込んだ。 頭の中で先ほどの出来事を無理にでも整理しようとするが、 それを私の壊れそうな感情が邪魔する。 ──… 「初めまして」 差し出された手の温もりは変わらないのに…結城は二度と、 私のモノにはならない。  
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