―Ⅲ―

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みのりちゃんは、明るくてよく冗談を言って… 私によく勉強を教えてーとせがむイメージ。 みのりちゃんのショートヘアを、 バンッ と、勢いよく叩いた、雪ちゃん。 ゆ、雪ちゃん…? 「あんた!もっ…もう!変なことばっか聞いて…! し、信じられない!!無神経!!」 …雪ちゃんは、しっかり者だけど、基本優しい。 注意することはあっても、相手を殴ったりしなかった。 私まで、キッと睨む。 …真っ赤な顔で。 「楓ちゃんも信じられない! まだ私たち高校生よ? 将来とか考えてる? もしものことがあったらどうするの?人生台無しよ!不潔よっ!」 ガ―――――ン…… その言葉に少なからずショックを受けた私。 頭を叩かれたショックと雪ちゃんの豹変から、立ち直ったみのりちゃんは、真っ向から、雪ちゃんに立ち向かう。 「そーんな堅いこと考えてんの!?信じられない! さっきまで、美形だの綺麗だの言ってたくせに!」 「私は、恋愛が駄目って思ってはないもん! ただ、そういうコトとは、べ、べつ、だなって…」 「愛する人として何が悪いの!?素敵じゃない!熱い夏の恋よ!」 「ちょ…二人とも…っ」 どんどんヒートアップする二人をどうにか宥めようと口を出す。 「ひ、人が、見てるから…………っ」 恥ずかしさを耐えながら、精一杯声を絞る。 人気のない中庭とはいえ、四方を校舎で囲まれている。 上から、何事かと人が見ているのだ。 「…………」 私たちは、途端に静かになった。
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