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みのりちゃんは、明るくてよく冗談を言って…
私によく勉強を教えてーとせがむイメージ。
みのりちゃんのショートヘアを、
バンッ
と、勢いよく叩いた、雪ちゃん。
ゆ、雪ちゃん…?
「あんた!もっ…もう!変なことばっか聞いて…!
し、信じられない!!無神経!!」
…雪ちゃんは、しっかり者だけど、基本優しい。
注意することはあっても、相手を殴ったりしなかった。
私まで、キッと睨む。
…真っ赤な顔で。
「楓ちゃんも信じられない!
まだ私たち高校生よ?
将来とか考えてる?
もしものことがあったらどうするの?人生台無しよ!不潔よっ!」
ガ―――――ン……
その言葉に少なからずショックを受けた私。
頭を叩かれたショックと雪ちゃんの豹変から、立ち直ったみのりちゃんは、真っ向から、雪ちゃんに立ち向かう。
「そーんな堅いこと考えてんの!?信じられない!
さっきまで、美形だの綺麗だの言ってたくせに!」
「私は、恋愛が駄目って思ってはないもん!
ただ、そういうコトとは、べ、べつ、だなって…」
「愛する人として何が悪いの!?素敵じゃない!熱い夏の恋よ!」
「ちょ…二人とも…っ」
どんどんヒートアップする二人をどうにか宥めようと口を出す。
「ひ、人が、見てるから…………っ」
恥ずかしさを耐えながら、精一杯声を絞る。
人気のない中庭とはいえ、四方を校舎で囲まれている。
上から、何事かと人が見ているのだ。
「…………」
私たちは、途端に静かになった。
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