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『亮ちゃんおはよーさん!』
『おぅ。章ちゃんおはよーさん!』
門の外には毎朝一緒に登校しとる幼なじみの亮ちゃんが待っててくれた。
大きな黒目がちのたれ目に泣きボクロ。ハスキーな声。所謂イケメンさんで女子から人気なんよ。(なんや知らんけどたまに男子も…。)
生まれた時からお隣さんで、一人っ子同士やからほんまの姉弟みたいに育ってん。ちなみにうちの方が2ヶ月ばかしお姉さんなんやで~。
あ!ちなみにうちの気になる人て亮ちゃんじゃないで(笑)
亮ちゃんもな、片思いしてん。一個下のヒロって子なんやけど、めっちゃ美人さんでうちと違ってすらっと背が高くてモデルみたいな子なんよ。
笑顔が可愛くてめっちゃえぇ子なの。
うちらと同じ軽音部所属で、うちから見たらえぇ感じなんやけど、亮ちゃんなかなか告白せんの。
見ててもどかしいんよ~!
『…ちゃん。章ちゃん!』
『ほぇ?』
『なんやねん、ぼーっとしてぇ。さっきから何回も呼んどるのに。』
『あ、ごめん~。で、なにぃ?』
『新しい曲なんやけど、ここの歌詞がしっくりこんくて。ちょぉ見てくれへん?』
『おん、えぇで♪』
そんな話をしながらうちらの家から少し歩いた先にあるバス停の列の一番後ろに並ぶ。
(今日も乗っとるとえぇな♪)
『章ちゃん、今日も会えるとえぇな?』
うちの心の中を見透かしたように亮ちゃんはにやって笑うた。
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