262人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
まもなくバスが到着して亮ちゃんと共に順番に乗り込む。
(あっ!おった♪)
亮ちゃんの方を向くとにやって笑うてくれた。
今日も金髪のあの人は、背が高くて他の人より頭が出とるから見付けやすい。
うちの気になる人、おーくらくん。
毎朝おんなじバスに乗るようになって、初めはかっこえぇなぁ位しか思ってなかったんよ。
でもいつの間にかいつも目で追うようになって、おんなじバスやなかった日はめっちゃテンション下がんねん。
でもまだおーくらくんって名前と通っとる学校とドラムやっとる事しか知らんの…。
やって、おーくらくんはいつも一番後ろの方に居って、亮ちゃんとうちが乗る時は混んどるからだいたい真ん中あたりなんよね。
会話が聞こえへんねーん。
『章ちゃん、にやけ過ぎやで?』
亮ちゃんがうちの耳元で囁いた。
『あ、ほんま?』
おーくらくん見ながらにやけてたみたいや。
亮ちゃん居らんかったらただの怪しいやっちゃな(笑)
なんて思っとると一人の子と目が合うた。
うちと目が合うとすぐ反らしたそのかわえぇ子はだいたいいつもバスが一緒の子。
亮ちゃんの事見てる子や。あの子もうちと一緒なんやなぁ。
最初のコメントを投稿しよう!