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3月4日
月光館学園 教室
「あ…有里くん…ちょっと、話があるんだけど…いいかな?」
わたしは、少し躊躇いながらも、有里くんに話しかけた
「…?いいけど…」
「ありがと…じゃあ、屋上行こっか?」
屋上-
屋上に置いてある、ベンチに二人で座った…
「ごめんね?具合悪そうなのに…で、話なんだけどその…会ってほしいんだ…わたしの、お母さんに…」
「どうして?」
「いや、別に変な意味じゃなくて!…ただ、側にいてほしいんだ…一人で、お母さんに会ったらまた、ヒドいことを言っちゃいそうで…」
「わかった…いいよ」
「ありがとう…」
その言葉を聞いて、わたしは安心した…
そして、一瞬だけ躊躇いながらも、聞いてみた…
「わたし達、高校を卒業したら一緒じゃいられなくなるのかな…」
「そんな事は無い」
「ん…」
有里君は、微笑みながら言ってくれた…
「わたしも…そう思うよ…」
そういうとわたしは、嬉しくて言葉に詰まった…
「じゃあ…さ…いつか、ディズニーランドとかに行こうね…?と…当然、二人だけでだよ?…と…泊まりで…」
「うん」
有里君はまた、微笑みながら言ってくれた…
その言葉を聞いた瞬間、わたしは自分でも分かるほど顔が真っ赤になった。
(とりあえず、この場を離れないと幸せで死んでしまう…)
そう思ったわたしは、
「あ、そ、そろそろ時間だ…わたし、行くね」
そう言って、立ち去ろうとしたが言い忘れていたことがあった。
「春休み空けといてよ?あと、約束だからね?」
「わかった」
なのに、彼は翌日に手の届かない場所に逝ってしまった…
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