第一話 「転生」

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 時刻は夜。  俺は今、数百人の仲間(もとい同じ雇われの身の奴ら)と一緒に山中、ある場所へと向かっていた。  理由はもちろん葬儀屋の店主の依頼である。  でなければこんなところ、理由が無い限り来やしない。 ◆ 「盗賊にわしの大事な商売道具を盗られてしまった」  依頼内容はこうだ。  ある日、数人の盗賊に襲われながらもなんとか、命かながら逃げ出してきた。  しかし、そのとき大事な商売道具を盗られたそうだ。  なんでもそれは鏡らしい。  そして、その盗賊達が近くの山の中を住家にしているとの情報が入り、退治してくれる者を募集していた。  そこで俺達が集められたってわけだ。  数はざっと百人余り。  中には女もいたが、ほとんどが屈強そうな男達だった。 (あんな金額見せられたらなぁ……)  何でこんなに集まったかというと、一番の理由が今回の報酬。  その破格とも言える金額に、集まった者は俄然やる気を出した。  しかし最後、店主が――。 「言っておくが、今まで無事に帰ってきた者は一人もおらん、じゃから――」  そう言い、皆を一瞥し。 「幸運を祈る」  思わず俺も、ゾッとするような笑みを浮かべるのだった。
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