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突如消息を立った京介を、牧が探し始めてから何十年と経過していた……。
その間何一つ手掛かりを見付ける事が出来ずにいた牧は、京介の情報は二千万円失ってでも欲しかった情報だったのだが……。
「非情に残念だがな……。今の君に吹雪京介について教える情報は無いな。」
宗政は牧に言葉を残すと、扉を開けて牧の家から出て行ったのだった。
その場に呆然と立ち尽くす牧……。
京介の情報が得られると思った矢先に、興奮を必死に抑えていた牧の頭の片隅にも無かった事態が起きていた。
二千万円払って得た情報は……。
ゼロだったのだ。
宗政は牧の部屋を出た後に、住宅エリア周辺を歩いていた。
「牧定晴か……。階段を登る可能性は十分あり得るな……。」
宗政は呟きながら、ブールを手に取ると、本部に電話を掛けていた。
『おはようございます宗政様……。どの様な御用件でございますか。』
宗政はタバコを吸いながら女性に用件を伝えていた。
「今日の二十三時に、私の部屋に来る様に伝えてくれるかな。」
『かしこまりました。どなたを向かわせましょう。』
「吹雪京介だ。」
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