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二千万円
この多額な金額を得るのに人はどれ程働かねばならないのか
そんな金額を一瞬に失うと言う現実を突き付けられた牧
普通なら立ち直る事ができない事態だろう
しかし……
牧は全く動じていなかった。
部屋で立ち尽くし、宗政の言った言葉を頭の中で繰り返し、言葉の意味を考えていたのだった。
仮に宗政さんが京介さんの事を全く知らなければ、あんな言い方はしない。
今の僕に教える事は無いと言う事は、逆に考えれば教えた所で意味は無いと言う事なのだろう
つまり……
今の僕には何かが足りないのでは無いのか
考え込みながら牧は、ソファーに足を運んだ。
ソファーに飛び込んだ後、寝転がり、仰向けの状態で天井を見つめていた。
そして過去の事を考え始めていたのだった。
牧定晴九歳の時……
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