呑気なメイドの暮らしかた

どうすればいいのか分からないので
取り合えず舌について聞いてみた

『あの………舌大丈夫？
盛大に噛みましたが』

そう聞いてみると

『ふぁい………らい丈夫れふ』
と少々涙声ではあったが返事が返ってきた

疑問が一つ解決したのでもう一つ、最大の謎を聞くことにした

『そうですか………なら、もう一つ
いいですか？』

『はい！なんですか？』

こんなに可愛い子をメイドに出来る人は幸せだな、そう思いつつこの子の間違いを指摘してみた

『たぶん家違いだと思いますよ？向こうに大きな屋敷があるんですが
あちらではないんですか？』

それにこの家の玄関にはまだ表札がない。
間違えた可能性はかなり高いだろう

これでお別れだな。
心のなかでそう呟いていると
予想外の返答が返ってきた。

『違いますよ！これを見てください！』

そう言いながらメイドさんは一枚の紙を俺の顔の前につきだしてきた

『どうして俺の個人情報が？』

俺のプライバシーは
どこに行ったんだ！
って言うかこんなに細かいなら名前も書いとけよ！

そんなことを考えていると
メイドさんのほうから返事が来た。

『そうなんです！私はこの家にメイドとして来たんです！』