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『その……、急に女性がメイドとして来るなんて、おかしいとは思わないんですか?』
急にしょんぼりとして俯きながらそう聞いてきた。
あぁ、なんだそんな事か。
『そりゃあおかしいとは思ったけどさ、冷えてる女の子をこのまま返すわけにもいかないよ』
それに俺の個人情報をなんであんなに知ってたのか聞きたいし
『ホントですか!?良かったー。このまま帰らされたらどうしようかと』
そういって安心したように胸を押さえて喜んでいた。
萌えるなー。いや、ホント。
『それに断られたら路上生活でしたし』
『そんな瀬戸際だったんだ!?』
俺は一人の運命を終わらせたかもしれないのか………
断らなくて良かったよ。
『それじゃあ玄関で立ち話しても寒いだけだし家に入っていいよ、すぐに温かいココアを淹れるからさ。』
なるべく紳士っぽく紳士っぽい飲み物の名前を出してみた。
そして過ちに気づく。
家にココアなんておいてねぇ!!
『やっぱりごめん、温かいココアが家に存在しなかったよ』
そうして、わずか数行で俺の紳士作戦が終わりを迎えた。
いやぁ、落ち込むなぁ
………ホントに落ち込んでしまった。
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