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目覚めはいつも最高で、誰よりも早く起きる。
朝の支度をして、家族の料理を作る。
与えられた仕事ではなく、できるから。
その気になれば自立だって難しくないだろう。
もっとも、その気にならなくてもできてしまうのだが。
目指さなくてもできるのだから、常に努力をしていた。
完璧と呼ばれるために。
準備を終え、家族の分の料理をラップで包む。
誰かが起きる前に家を出た。
真面目と評される俺だが、自分の向上のためだけに生きるわけではない。
その証拠として恋人のような存在もいる。
玄関のドアを開ければ彼女はそこにいた。
「ちょっと遅い」
「いつもと変わるまい」
「えーー」
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