逆転少年

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彼女は俺に持っていない物をいくつも持っていた。 その明るさや特別優れた容姿、誰とでも接することができ、不思議にしか思えなかった。 「難しい顔してなに考えてるの?」 「特には考えていない」 「嫌いな人を倒す方法でも考えてたんじゃないですか?」 そんなイメージだったとは。 「上杉くん……行かないの?」 「あ、ああ。行こうか」 心を踏み荒らす、直接攻撃。 予想外な人間だからこそ惹かれたのかもしれない。 ふ……俺に限ってそれはないな。 必要とされているからいる、それだけの話だ。 妬みの視線も俺には興味がない。 優劣を争うが故に優れた人間を妬む。 俺は常に勝者でいるだけだ。 力があって損することはない。
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