逆転少年

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誰よりも勝者でいたかった。 敗者なんて興味がなかった。 そんな思いを覆す出来事が起こった。 運動神経がないのか、反射神経が鈍いのか、少年は車の前で立ち止まっている。 恐怖で動けないのだ。 人は感情的に動ける、特に俺のような人間だとしても。 俺は誰かを突き飛ばした気がした。 悲鳴は、あとから聞こえた。 意識が戻る感覚がした。 目覚めはするが体は動かない。 あれだけの力が働いて生きてるはずがない。 それを裏付けるように体が動かなかった。 『神童……生み出しているのは私だ』 「……誰だ」 『罪人……罪神か』 「ざいし……神?」 神……おとぎ話のような出来事におとぎ話で返してしまった。 こんな空間を見るなど、事故のショックが抜けきれてないようだ。
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