もう一歩先へ

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ドキッとした。 強く強く心臓が波打つ。 ずっと言い訳してただけなんだ。 恋なんか必要なし、って。 ほんとはナンパされる実香をみて嫌だった。 何となく、気付いてたけど ごまかしてきたんだ。 「実香」 「……?」 「すきだ。」 「遅いよ、ばーか。」 甘い匂いに僕は包まれてた。 小さい小さい甘い実香に。 「もてんのに付き合わなかった理由は?」 「……るっくん以外やだからだよ。」 『みか、るっくんのおよめんなる!』 『みかちゃん、およめさんなるにはしなきゃいけないことがあるんだよ』 『へ?やらなきゃいけないこと?』 『め、とじて。ぼくがみかちゃんのだんなさんになるやくそくをしよう』 「るっくんたらしだからなぁ。」 「なっ……ちげえよ。」 「何が違うっていうのー?」 「目、閉じて。僕が実香の旦那さんになる約束をしよう。」 これが僕らの二度目のキス。 《もう一歩先へ》
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