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また、私が彼に会う事は、
恐らく何年も先になるだろう。
何故なら、彼は明日、捨てられるからだ。
それも、凶暴な魔物が無数に生息する立ち入り禁止区域に。
今の私に、そこに行く力は無い。
今宵、五歳を迎えても、だ。
だからと言って、彼をここでみすみす失うわけにはいかない。
だから今日、あの指輪を託した。
彼を、レイルを護るために。
もしも彼が本当に英雄になるべき存在なのならば、
きっと生き延びてくれるだろう。
そしていずれ、私の前に現れてくれる。
その時まで、私は彼を信じ、待とう。
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