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今日も彼女が来てくれた。
何処からともなく現れる、
黒髪の綺麗な紫色の瞳をした少女。
名前は、クリスティナ・アディール。
僕と同い年なのに、かなら大人びた性格?をしている不思議な女の子。
クリスは定期的、三日に一度、
必ず僕の前に現れる。
そして、真っ先に父さんの暴力で傷ついた身体を癒してくれる。
私には、このくらいしか出来ないけど……
と、いつも言っていた。
だけど、僕からしたら彼女の存在はとても大きなものだった。
クリスは僕に色々な事を教えてくれた。
僕がどんな存在なのかを知っても、変わらず接してくれた。
クリスと会うことが僕の生き甲斐になっていた。
この何もない暗い牢屋の中で、
クリスと話すことだけが楽しみだった。
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