プロローグ

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キースは何も言わず刀を振り下ろした  風の刄が空気を切り裂きながらカイトを襲っていく  「ぐっ…!」 紙一重で回避した  だが先程受けた傷から血がどんどん流れていく  「ほぉらいわんこっちゃない… もう僕は引き止めないよ、僕は君を殺して快楽を楽しむよ!  こんな機会はもうないからね… 君は僕の刀“イーグル・ブレード“から逃れる事はできない  この刀は魔獣の力と相性がいいんだ… 僕の魔獣の名前は言わないで置いておくよ  もしも僕から逃げ切れたら教えてあげてもいいけどね!」 「相変わらず…話がなげえな!」 隙を逃さず弾丸をキースに放つ  だが剣で弾かれてしまい、そしてキースの反撃が待っていた  「あきらめるんだな!」 刀身自ら斬りに掛かってくるキース  痛む体を動かし後ろに下がりながら発砲する  放った弾丸は一発は頬を掠めたが他は打ち落とされてしまった  絶望と共にキースの凶刃がカイトの体を切り裂いた  ブシュッ!  血が天井まで舞いキースの服と顔を真っ赤に染める  痛みを感じたのは数秒先の事であった  「…っ!」 叫び声を挙げず痛みに耐えるカイト  斬られた胸襟から横腹を押さえながら引き金を引きキースから距離をとる  離れると息を荒くし血がついたコートを握り締める  (ハアッ…ハアッ… 契約者とは何回か戦ってきたがこんなに強い奴は初めてだ… …だがもうそろそろ…) フラフラになりながら壁を背にしてズルズルとキースから離れようとする  絶体絶命に追い込まれた証拠だ
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