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有無を言わさず、ゴンゾウを追い払おうとした、その時、草花を踏み締めてこっちに向かってくる足音が聞こえた。
「ッ…!? ヤツだっ…」
「あぃ?」
「早く行け!
巻き込みたくはない…っ」
オレの表情を見たゴンゾウは、コレを信じたらしい。
頑張れや、と一言告げて、去って行った。
…さて、足音の主は、いったいどなたでしょうか。
サク、サク、と一定の足音が、徐々に近づいてくる。
「よっ」
足音が後ろからだと気付いたと同時に、それが真後ろで止まり、声を掛けられる。
「…お前か」
ゆっくりと振り返った先に居たのは、八木政(23)。
何 故 お 前 が こ こ に 居 る
「驚いたか?」
「…まぁな。
で、これはいったい何事だ?」
とりあえず、核心をついてみる。
冷静な様に見えるオレだが、それはもう冷静だ。
人間、驚きすぎると冷静になれるらしい。
八木政(23)…もう八木でいいや
八木は、少し何かを考えるような素振りを見せてから、ニヤリと笑った。
「お前は今、コレを夢だと思っている。
そうだろう?」
「…こんなの、夢に決まっているだろう」
言いながらも、頭の片隅では、理解している。
認めたくない。
「それは、お前の思い違いだ」
つまり、これは…
「コレは、現実(リアル)だよ」
第2話 END
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