4人が本棚に入れています
本棚に追加
パニックに陥る5分ほど前。
八木 政(23)独身。に半ば無理矢理渡されたおもちゃの鍵を持って家に帰ったオレは、家でも手を抜かずに、ベッドに身を預けて天井を見ながら、鍵を空(クウ)にかざしていた。
「まったく…
アイツにも困ったもんだな。」
こんなのを、妹である遥(ハルカ)に聞かれたら、オレの人生は一瞬で終わる。
間違いない。
遥はオレの4つ年下で、13歳。
オレの妹とは思えないほど可愛くて、素直だった。
ただ今は、ちょいと反抗期。
そんな可愛いオレの妹、遥は、今日は友人の家にお泊まり、らしい。
相手が男だったらコロス。
最近、彼氏が出来たとか…
…妹はやらんぞ。
お兄ちゃんは許さないからなっ
と、まぁ、遥が居ないのを良いことに、今日のオレは歯止めをしらない。
「仕方ない、な。
他でもないアイツの頼みだ…
やるしかない…、そうだろう…?」
鍵に向かって問いかける。
で、鍵が光るのがマンガ・アニメの相場だが、そんなはずは…
「ぅあっ!?」
そんな、はずは……ないんじゃ、ない…のか…?
単なるおもちゃの鍵のはずなのに、どうしてこんなに光る?
…そうだ、きっとどこかにスイッチが……ない。
じゃあ、ヤツがリモコンで……な、訳がないな。
そもそもどこが光ってるんだ?
豆電球で光らせるには限界があるはず…
そうこうしている間に、鍵の光はどんどん強くなっていく。
…これは、夢だろうか?
夢ならば、身を任せるのも、良いかもしれない…。
最初のコメントを投稿しよう!