ワニ×人間とオレ

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というか、オレの常識の中では、人の言葉を喋るのは人間と九官鳥くらいだと思ってた…。 決して冷静ではないが、それほど焦ってもいないのは、これが夢、だからか? いや、夢だろうが現実だろうが、オレ(厨二)は焦らなかっただろう。 「んでもって、オラの名前はゴンゾウじゃ」 「……そうか」 渋いお名前ですね、とは言わないでおいた。 「で、貴様は何故、光の剣を知っている?」 「知ってるも何も、今時そんぐらい出せねぇヤツは居ねぇべ?」 流石、オレの夢だ。 …闇の剣(ダーク・ブレード)は? と思ったが、聞くのはやめておく事にする。 ワニん間に馬鹿にされるのは腹が立つからな。 「私は少し、貴様を甘く見ていたようだ」 「お?」 何だコイツ、的な視線をオレに向ける、ワニん間…基、ゴブリンのゴンゾウ。 それをスルーして、空に右手を翳す。 「来い、混沌の剣(カオス・ブレード)…っ!!」 静かに、叫ぶ。 イメージは、日本刀。 オレ(厨二)が、何度も(脳内で)描いてきた、愛刀。 刃の色は漆黒。 柄の部分には、二匹の蛇が絡みあった形の飾り。 不意に,翳した右腕に,ずっしりとした重みが… 来ない。 「………」 「……………」 「…見なかった事にしてくれ」 どうやら、ゴンゾウは何かを悟ったらしい。 哀れみの視線を送ってくる。 「…兄ちゃん、よく変人って言われんべ?」 「ふっ  私のレベルに、周りが着いて来られないだけの事さ」 「兄ちゃん、自分は大事にしぃや」 「余計な世話を焼くものじゃないだろう」 変人で何が悪い。 開き直って何が悪い。 厨二嘗めんな。 「で、貴様は何故此処に居る?」 「ここで人間さんが倒れてっから、見に来てやったんだべさ」 いい加減、関西弁か北海道弁に統一しろ。 内心つっこみつつ、オレはゴンゾウを見下ろす。 「そうか…。それならば、心配には及ばないさ。  それより……もうすぐ、ヤツが来る。  …貴様を、巻き込む訳にはいかない」 「ヤツ?」 「貴様には、関係のない事さ  …此処は危険だ。早く立ち去れ」 ゴンゾウは、納得が行かないらしい。 少なくともオレなら、こう言われた所で納得はしないが、言えるチャンスは逃さない。  
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