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で、そのすごい魔法の詠唱は?
「『絶対だいじょうぶだよ』」
「さ○らちゃん?」
「もうここですることはないわ。せっかく行くんだから楽しんでね。」
スルーかよ。
「一つだけ気になったんだけどさ。アリス自身が科学地域とかに言った事ってあるの?」
「……禁則事項です。」
「朝○奈さん!?」
アリスが口の前に人差し指を立てるという、ある未来人のまねをした瞬間、俺の足元に黒い穴が開いてその穴に俺は落ちた。
「…………アリス様。」
楓が堕ちていった穴を見ていたアリスに話しかける者がいる。
「何、サミカ?」
サミカと呼ばれた者は指をパチンと鳴らし何かの書類を出した。
「神の器、林 楓はもう行きましたか?」
「たった今。」
「確か50年前位でしたか?あなたが堕ちたのは。」
「……結構気にしてるのに。」
「そのせいで神の国がどれだけ混乱したか……」
あからさまに演技だと分かるように頭を抱えるサミカ。
「あれは事故よ、事故。」
「その影響で問題が増えているのでしょう。」
「うるさいうるさいうるさーい。」
「……仕事倍で。」
再び指を鳴らす。
さっき書類と一緒に出した机の上の書類のタワーが倍に増える。
「えっちょっと待ってよ。あ―もう楓の莫迦……楓がパルプンテなんて唱えなければ、今頃は仕事が少し楽になったのに……」
「だいじょうぶですよ。きっと。すぐ帰ってきます。」
サミカは机と椅子をもう一つ出して隣に座った。
「……む。」
二人ともトントンと書類の一部を自分の机に並べ、時折チカラを使って作業を進め始めた。
「そういえばあの楓?にあの魔法の応用版を教えたんですね。本当に漫画好きですね。さっきも真似てましたし。」
「しょうがないわ。面白いんだもの。」
「神であろうと一万年ほど下界で過ごさなければならないのにあれほど特典を付けたのは?」
「……妹と同じ日本人だったから。」
「早くそのシスコンを治して下さい。で、その楓という者はどこの世界に行ったんですか?」
「……え。」
「どうしたんですか?」
「楓が行った世界……レインサタアだわ。」
「それはまた。」
「運命?」
「力を持っている人は、みんなこんなかんじですよね。何か問題を起こさないといいんですけど。」
「私の方を見ながら言わないで。」
「何か文句でも?」
「……楓の旅路に祝福を。そして幸多からんことを。」
「……祝福と平和を――――――」
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