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と、叫ぶ。
最後の希望をこめ。
こんな所で死んでしまう無念の気持ちをこめ。
これが自分自身最後の光。
そう。パルプンテとは、何が起こるが分からない。
敵が全滅するかもしれない。
味方が全滅するかもしれない。
敵が回復するかもしれない。
味方が回復するかもしれない。
何も起こらないかもしれない。
そんな博打みたいな呪文(パルプンテ)が好きで。
まるで人の人生のようで。
そしてトラックと接触する。
林 楓は、それでも笑っていた。
笑いながら、その指先は二度と動かなかった。
この夜。
林 楓は『死んだ』。
そして、その林 楓は最後に。
超カッコつけちゃったよォォォ!!
何だよ、無念の気持ちって、最後の光って!?
これがエピローグなら、もしくは最終章とかなら『あいつはこの世界の為に命を懸けたんだ。あいつの意志は俺達が継ごう。』とかなって、Happy End…なのに……
今プロローグだし、Happy Endのカケラもないよ!?
しかも最後が
この夜。林 楓は『死んだ』。
って、幻想殺しのあの人ですかっ!?
〇条さんですかっ!?
などと考えていた。
そして数日後のアース(地球)では。
「楓……俺が悪かったのかな?……神様。」
林 楓の姉は墓の前で小声でそう呟いた。
「私が……モン〇ンやろうなんて死亡フラグ立てたから……」
そっちかよ。
「たった一人の姉弟を失った姉の波乱万丈の人生の物語はここから始まったのだった。」
また姉弟って……しかも自分で言うか?
まぁ自分死んでるからな。
さっきから色々つっこんでいたのは上〇さん的死に方をした林 楓だ。
〇条さん的と言っても身体的に死んだわけだが。
まぁ今幽霊やってます。幽霊なんてやりたくないけどね。
「おーーーーーーい。そこの君ーーーー!!」
ん?姉貴よ、呼ばれてるぞ。
……あれ?姉貴には聞こえてない?
「そこの幽霊やってる君ー!」
ってまさか幽霊に話しかけてるのか!?
やば……あれかな陰陽師とかの人?祓われちゃうよ。
って祓われるって良くない?成仏?出来るんだし。
逆にある意味不老不死の状態を何とか出来るんだし。
もうこの世に未練何てないし、死んじゃったもんは仕方ないし。
「すんませーん、この私(わたくし)めを成仏させて下さ~い。」
「あ、何だ。聞こえてたんじゃない。びっくりした。」
「いや~幽霊なもんで気づかなくて……」
「取りあえず、『レスト イン ピース』って言って。」
「……?えと『レスト イン ピース』」
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