新たな出会いと

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『呪われているか』とマスターがアキに聞くと言うことは、マスターとアキとでは見えている物が違うのだろうか。 俺にもその『呪われている』状態が見えるかどうかなんて分からないが、ブラッキアヴォルフをしっかりと見るために、目をよく凝らす。 血塗れで、どうして生きているのかすら分からない状態。 その体躯から発生する燻っているような黒い煙のようなもの。 草原で襲われた時と、先程動き出した時と、今との違いを弾き出すとしたら確定的なことが『1つ』ある―――― 「アキ。 ブラッキアヴォルフに『煙が立っている』?」 「!卓さんには『呪煙(じゅえん)』が見えてますか!?」 どうやらアキと見えている物が一緒らしい。 じゅえん、と呼ばれた物が呪われている印なのだろう。漫画とかなら、それを解除することの出来る呪文か何かがあると思うが、誰もアクションを起こさないということは解除法は無いのだろうか…? 思考に耽りだした俺は、ブラッキアヴォルフから視線を外してしまう。 武器も魔法も持ってない奴が打開策を考える。それが今の状況にとって、自殺行為だと言うことを……理解していなかった。 「卓さん!!」 アキが俺の名を叫ぶ。 俺が気付いたときには、目の前に青く染まった黒い塊が迫っていた――――
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