始まり

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「『リア充じゃない。 生活が忙しいんだよ』っと」 台風が近付いてきているせいか、外はバケツをひっくり返したような土砂降り。 カーテンの隙間から見える外は真っ暗で、周りの電灯は薄明かるく光っているのが見えた。 俺は自分の部屋の椅子に座り、携帯を片手にサークルのスレに返信を打つ。 久々に書き込みをしたのだが、相変わらずのメンバーが返信を返してくれた。 俺の名前はHNくろたぬこと、黒田 卓(くろだ たく)。 『Mobile Game's』で小説を書いている高校三年だ。 『Mobile Game's』ってのはモバイルサイトの名前で、携帯やPCからログインが可能。 サークル以外にも日記を書けたり、ゲームができたり、オークションがあったりと多種多様な機能が存在する。 俺はその機能の中で、主に小説を書いていた。 ファンタジー小説なのだが、今では沢山のファンができ小説のファンサークルがある位人気を得ている。 しかし、小説のランキングを見れば上位の小説もまだまだ沢山のあり、俺は日々精進を重ねていた。 そんな俺が今書き込んでいたサークルは、ファンサークルではない。 俺が所属しているサークル『Novelist Garden』だ。
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