幼馴染み

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翔が家へ帰ると、清香から会いたいと電話があったが、そんな気になれず無理だと断った。 ベットに寝転び、奈美の言葉を思い出す。奈美が怒るのは当然で言葉がなかった。 携帯を開き、莉子からの最後のメールを見る。電話で、最後に聞いた悲し気な莉子の声を思い出し、激しい後悔に襲われた。 それから数日後。 会おうとしない翔を心配した清香は、翔の家を訪れた。 清香は落ち込む翔に理由を聞くが、翔は誤魔化し答えない。理由に思い当たる事のある清香は、言いにくそうに口を開く。 「伊藤さんとは仲直り出来た?」 莉子の話しをすると、翔の表情が強張ったのを見て、清香はすまなさそうに目を伏せた。 「約束、破らせてごめんね。…伊藤さんには、私からもちゃんと説明する」 「いい。そんな必要もうない」
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