幼馴染み

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翔は優しい口調で言うと、やり切れない様子で髪を掻き上げる。そんな翔を見て、清香は複雑な表情を浮かべた。 「もしかして…別れたの?…私のせい…だよね」 「清香のせいじゃない。行かないと決めたのは俺だ。それに、あの時は仕方なかった」 「でも、私が止めてなかったら…」 「もう、いい。莉子との事は、俺の問題だ。気にすんな」 触れられたくないのか、柔らかな口調の拒絶に清香は言葉を止めた。 「それより、和真とはどうだ?」 「ん…普通に話してくれるし、会ってもくれる。和真は、前と変わらない」 清香は髪を耳にかけ、寂し気に答えた。 「そうか。なら、やり直せるんじゃないのか?」 「無理よ。和真は言った事は曲げない。翔だって知ってるでしょ」
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