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考え込む翔に、清香は切な気な目を向ける。
「私達の間に、障害なくなっちゃったね」
翔は目を大きく開け清香を見て、ゆっくりと視線を逸らした。
「…かもな」
「あんなに苦しんだのって、何だったのかな?こんな風になるんだったら…戻りたいよ、翔」
「…戻れば、和真とは二度と付き合えない。それでもいいのか?」
「意地悪な言い方だね」
清香は、翔の質問に悲し気に笑う。翔は手を伸ばし、清香の頭を優しく撫でた。
「和真に会って、もう一回あいつの気持ち聞いてみる。なんなら、清香も一緒に来るか?」
「…私は、行かない」
首を振り俯く清香に翔は寄り添い、慰めるように肩に手を回した。
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