幼馴染み

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「清香の事は好きだけど、もう恋愛感情はなくなった」 「それ、本気じゃねえよな?」 信じられずに聞く翔の目を、和真は真っ直ぐに見た。 「本気じゃなきゃ別れてない。だから清香に、元の幼馴染みに戻ろうって言ったんだ」 「お前はそれでいいかもしれないけど、清香の気持ちはどうなるんだよ」 翔は強い口調で言い、納得いかない顔で頭をガシガシと掻く。そんな翔を、和真は冷めた目で見た。 「じゃあ、翔は相手の気持ち考えて付き合ってやった事あるのか?俺は気持ちがないのに付き合う方が、相手傷付けると思うけど」 「そんな事聞いてんじゃねえ。お前は、清香が俺と付き合うの耐えらんねえくらい、清香が好きだったんじゃねえのかよ。お前らが別れたら、俺が何の為に清香を…」 翔は悔し気に拳を握り、椅子の背もたれを殴った。
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