幼馴染み

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「好きだったよ。けど、俺がそうしてくれって頼んだか?勝手にした事押し付けるなよ」 和真の言葉に、翔は険しい顔で立ち上がる。部屋に椅子の倒れる大きな音が響いた。 「ふざけんな!和真が、俺と清香が付き合ったら離れるって言ったんじゃねえかよ」 翔は和真に詰め寄り、Tシャツの胸元を掴む。その手を、和真は強い力で握った。 「だから?それでも清香を想ってるんなら、言ってやるべきじゃなかったのか?お前と他の女が付き合うのを、清香がどんな気持ちで見てたと思う。俺が、どんな気持ちで清香と付き合ってたと思う。お前のその優しさは、残酷なんだよ」 和真は、胸から手を外し翔を睨む。翔はショックを受けた様子で、その場に座り込み項垂れた。 「お前、やっぱ気付いて…。ハハッ…だよな。けど、仕方ねえだろ。俺は、俺達の関係を壊したくなかったんだ」
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