後悔

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「…私にもないよ。あったとしても、翔君には言わないけどね」 冷たい奈美の言葉に、翔は苦笑いを浮かべ目を伏せるが、すぐに顔を上げ訴える。 「俺も教えてなんて言わない。けどもし連絡あったら、俺が電話欲しって言ってたって、伝えてくれないかな」 「翔君さ、今さら莉子と何話すつもり?」 「なにって…」 考える翔に、奈美は腕組みし厳しい目を向ける。 「ただの罪悪感なんでしょ。だったら、放っておいてあげてよ。翔君は謝って楽になるかもしれないけど、莉子は余計傷付く」 「傷付ける気はないよ。莉子と、ちゃんと話したいだけなんだ」 「だから何を?いなくなった女に未練はないでしょ。それに…」
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