後悔

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「触んないでよ!しつこいわね。そんなに言うなら伝えるけど、連絡するか決めるのは莉子だから」 「それでいいよ。ありがとう」 怒鳴った奈美に、翔は笑顔で感謝した。翔のホッとした表情に、奈美は苛立ちを募らせる。 「じゃあ、もう話しかけたりしないでね」 奈美はそう言うと、清香を睨みその場を離れた。 「馬鹿な奴。莉子が傷付くだけなのに、伝えるわけないじゃん」 廊下の角を曲がった奈美は、清香の方へ向かおうとする翔を見て呟いた。 奈美が遠ざかったのを見て、清香も翔に歩み寄る。そして、心配そうに翔の顔を見た。 「あの子怒ってたみたいだけど、何かあったの?」 「いや、別に」
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