後悔

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「俺には大昔に思えるぞ」 ノートに目を落としたまま答える清香に、翔は不満気な声をあげる。そんな翔を清香は笑った。 「受験終われば、好きなだけ遊べるでしょ。もう少しの我慢よ」 「もう少し…ね。だったら、受験終わったら3人で旅行に行こうぜ」 つまらなさそうな顔をしていた翔は、閃いた考えに目を輝かす。 「3人、なの?」 「勿論。嫌なのか?」 不思議そうに聞かれ、清香は苦笑いを浮かべた。 「私達、付き合っても変わらないね」 「当たり前だろ。駄目か?」 明るく答える翔に、清香は少し困った顔をした。 「駄目じゃない。だから困るのよ」
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