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時間が過ぎるが、莉子は来ない。携帯を出し、連絡がないかを確かめる。
「本当に連絡あったら驚くけどな」
呟いた一人言に苦笑いした。
約束なんてしてはいない。
結局、莉子からの連絡は一度もなく、何処にいるかさえ分からなかった。だから、今日ここへ来た。
7月30日という日付と、この場所。
何度か聞いても莉子は教えてくれなかったが、特別な日と場所だというのは気付いてた。けれど、どんなに考えてもその理由が分からない。
「普通の日だよ。翔にとっては…ね」
莉子は、少し寂し気にそう言った。
付き合い始めた日を正確には覚えてないが、1年の記念日は2ヶ月くらい先だったはずだ。
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