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暗くなった公園に明かりが灯る。ライトアップされた船を横目に、人気の少なくなった公園を見回した。
莉子の姿が見たくて探した写真。見つけたのは、携帯にあった数枚だけ。
写真はたくさん撮った。殆んどが、莉子の携帯で。プリクラも何度か撮ったが手元には1枚もない。渡されなかったし、俺もくれとは言わなかった。
それに気付いた時、あまりの自分の馬鹿さ加減に、笑いと一緒に涙が出た。
莉子は、最初から気付いてたんだろう。だから、他の女のように多くを求めたりはしなかった。
俺はそれに甘えてた。
言葉もやれず傷付けてばっかで、最後の約束さえも破った。
夜風に揺れる髪をかき上げるとブレスレットが目に入り、渡した時の莉子の笑顔が浮かぶ。
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