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カーテンから差し込む朝日。
莉子は眠そうに目を擦り、目覚まし時計を手に取ると、時間を見てゆっくり身体を起こした。
暖房はついていたが、それでも部屋の中は少し寒く、また布団に潜り込みたくなるのを我慢し、ベットの上で軽く背伸びする。
漂うパンと珈琲のいい香り。ベットの横を見た莉子は、不思議そうな顔で小さく首を傾げた。
「おはよう莉子、起きたか?」
聞こえた低い声に、莉子は寝ぼけ顔で微笑む。
「う…ん、おはよ。早起きだね」
「今日は講義が早いんだ。先に出るけど、朝飯は一緒に食べよう」
キッチンから現れた男はテーブルに朝食を並べると、ベットに腰かけ莉子に手を伸ばす。
大きな手が頬に触れると、いつものおはようのキスが唇に落ちた。
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