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「作ってくれて、ありがと」
莉子は男に手を引かれ嬉しそうに立ち上がると、棚に並んだお揃いのマグカップを取り、いつものように珈琲を注ぐ。
「莉子。大学終わった後、何か予定あるか?」
「ううん。バイトも休みだし、特にはないかな」
莉子がパンを頬張り答えると男は微笑み、莉子の口元についたジャムを指ですくい舐めた。
「俺も今日バイトないし、授業終わるの早いから何処か出かけないか?」
「うん、行く。終わったら電話するね」
莉子が笑顔で答えると、俺は頷き珈琲を飲み干した。
「じゃあ、俺はもう行くな」
立ち上がるった男を、莉子は玄関まで見送る。
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