新しい日常

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夕方過ぎ、2人はOLに人気のレストランに入った。運ばれたパスタを前に、莉子は口を開く。 「春休み、和真の実家に連れてって」 「いいのか?」 和真はフォークに伸ばした手を止め、莉子を見た。質問に、莉子は笑いながら頷く。 「うん。誘ってくれたのに、もしかして駄目なの?」 「いや…一緒に行こう」 小さく首を振り微笑む和真に、莉子は胸を撫で下ろした。 「よかった。一瞬断られるかと思ったよ」 「俺から誘ったんだから、断る訳ないだろ」 「そうだね。和真ん家、なんか今から緊張するな。奈美んとこに泊めてもらう予定だから、後でメールしなきゃ」 「俺の家泊まればいいよ。俺の部屋でもいいけど、親に気遣うなら開いてる部屋もある。一緒に住んでるんだから何も言わないだろ」 「駄目だよ。和真ん家に気遣わせるし、それになんか恥ずかしい。行く時は、奈美ん家泊まるって奈美と約束してるし」
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